〔徒然草〕展示品を拝見 (9)
2023-07-25
鈴木進氏の作出により、すみれ園芸化の先駆けとなった「ラインローザ」の名を持つ「ラインローザ・ジャイアントピンク」が出展されていました。昔、栽培したことがあり、数年は維持しつつ、根伏せで株数を増やしたのですが、消えてしまいました。

ミヤマスミレとヤクシマスミレ、そしてナンザンスミレという3種の遺伝子が用いられた交配種だそうです。独特の花色を呈しており、実は2種類のカメラで撮影したのですが、どちらも少しずつ違う色合いで記録されていたのです。色調の調整には少し苦労しました。
因みに、昨年、葡萄などの農産物保護強化のために改正種苗法が施行されましたが、前世紀、すみれは品種登録さえも稀でした。
「ラインローザ・ブラックベル」が農水省の品種登録DBに登録されていますが、残念ながら、こちらは見たことがありません。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
© 2023 Green Moonlight by NYAN All rights Reserved

ミヤマスミレとヤクシマスミレ、そしてナンザンスミレという3種の遺伝子が用いられた交配種だそうです。独特の花色を呈しており、実は2種類のカメラで撮影したのですが、どちらも少しずつ違う色合いで記録されていたのです。色調の調整には少し苦労しました。
因みに、昨年、葡萄などの農産物保護強化のために改正種苗法が施行されましたが、前世紀、すみれは品種登録さえも稀でした。
「ラインローザ・ブラックベル」が農水省の品種登録DBに登録されていますが、残念ながら、こちらは見たことがありません。
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〔徒然草〕古いフォルダから (2)
2023-07-20
古いフォルダから、2枚目のキバナノコマノツメです。撮影地も別で、カメラも次世代機ですが、現代から見れば、古い機械です。

キバナノコマノツメは、日本国内では局所的に点在する珍しいすみれの部類ですが、世界的に見れば、北米から、オセアニア、ヨーロッパにまたがる北半球一帯に分布する普遍種と言えるかも知れません。学名は Viola biflora L. (1753)、つまり、リンネが300年程前に命名しました。「二つの花を持つ」といった意味になるようですね。「原色日本のすみれ」の記載によりますと、『1茎に1~3花位をえき生する』とありますから、合致しているのでしょう。デジタルカメラ泣かせの黄色ですが、こんな感じの色合いだったと記憶しています。
来年こそは、それなりに出掛けられるという前提で、今年から、しっかり計画を立てようと、鬼が笑うようなことを考え中です。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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キバナノコマノツメは、日本国内では局所的に点在する珍しいすみれの部類ですが、世界的に見れば、北米から、オセアニア、ヨーロッパにまたがる北半球一帯に分布する普遍種と言えるかも知れません。学名は Viola biflora L. (1753)、つまり、リンネが300年程前に命名しました。「二つの花を持つ」といった意味になるようですね。「原色日本のすみれ」の記載によりますと、『1茎に1~3花位をえき生する』とありますから、合致しているのでしょう。デジタルカメラ泣かせの黄色ですが、こんな感じの色合いだったと記憶しています。
来年こそは、それなりに出掛けられるという前提で、今年から、しっかり計画を立てようと、鬼が笑うようなことを考え中です。
すみれの部屋@(花の写真館)
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〔徒然草〕古いフォルダから (1)
2023-07-18
行事が立て込んで出掛けられない夏です。そんな時、よくSNSなどで見かける、高山域に咲く黄色いすみれたちが気になってしまいますね。キバナノコマノツメとは、もうしばらく出逢っていません。突然ながら、古いフォルダから、2枚の写真を取り出してきました。

その1枚目は、タカネスミレを見に出掛けた際に見かけた、不思議色のキバナノコマノツメです。撮影は随分昔ですが、当時、この色の花が咲くことが話題になっていたことを、後で知りました。長期間、この場所で見られたらしいのですが、最近、話題になることはないようです。もう、見られなくなってしまったのかも知れませんね。そうだとすると、ちょっと、残念です。
当時、NIKONの重いカメラを首から提げていましたが、画質を比べてみると、年々、進歩するテクノロジーの違いを感じます。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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その1枚目は、タカネスミレを見に出掛けた際に見かけた、不思議色のキバナノコマノツメです。撮影は随分昔ですが、当時、この色の花が咲くことが話題になっていたことを、後で知りました。長期間、この場所で見られたらしいのですが、最近、話題になることはないようです。もう、見られなくなってしまったのかも知れませんね。そうだとすると、ちょっと、残念です。
当時、NIKONの重いカメラを首から提げていましたが、画質を比べてみると、年々、進歩するテクノロジーの違いを感じます。
すみれの部屋@(花の写真館)
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〔徒然草〕展示品を拝見 (8)
2023-07-14
展示札には「ヒメスミレ(タヅ姫)」とありました。過去情報から類推すると、ウスイロヒメスミレと呼ばれるヒメスミレの色変り型です。巷では「タヅ姫」の他、「たづ姫」とか「田鶴姫」という表記で流通しており、拙宅でも、元気に花を咲かせてくれます。

「ウスイロヒメスミレ」を俗名であるかのように説明してしまいましたが、牧野標本館には、竹内亮氏が採集したウスイロヒメスミレのホロタイプが収蔵されています。手順を踏んで学名が提唱されており、それを受け入れるか否かは、個人見解の世界でしょう。アカネスミレとウスアカネスミレのような関係に当たりそうです。実際に両者を見比べると、確かに、少し特別感がある品種に見えてきますね。
九州に多く、鋸歯が粗くなる型をツクシヒメスミレと呼ぶそうですが、まだ認識していません。特別感はあるのでしょうか。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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「ウスイロヒメスミレ」を俗名であるかのように説明してしまいましたが、牧野標本館には、竹内亮氏が採集したウスイロヒメスミレのホロタイプが収蔵されています。手順を踏んで学名が提唱されており、それを受け入れるか否かは、個人見解の世界でしょう。アカネスミレとウスアカネスミレのような関係に当たりそうです。実際に両者を見比べると、確かに、少し特別感がある品種に見えてきますね。
九州に多く、鋸歯が粗くなる型をツクシヒメスミレと呼ぶそうですが、まだ認識していません。特別感はあるのでしょうか。
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〔徒然草〕展示品を拝見 (7)
2023-07-09
見事に多くの花が咲いていますね。コンピラスミレ風で、濃い緑色の葉も印象的です。
フモトシハイスミレ(静岡)と表示されていました。独特な魅力を持つハイブリッドですね。でも、広範な個体差がある自然交雑種だと感じています。個人的に、大分で見つけた大きな葉を持つフモトシハイスミレたちが、印象的な記憶となって刷り込まれているのですが、展示品とはかなり異なる様子でした。特に、花弁が薄紅色だった印象が残っています。

フイリフモトスミレとシハイスミレは近縁種なのか、時折、自然交雑種が見られるようです。ところが、フイリフモトスミレとマキノスミレの方との組み合わせであるミツモリスミレとは、どうした訳か、ご縁がありません。首都圏でも見つかっている情報があったので、友人と探しに出かけたこともありましたが、やはり、ご縁がありませんでした。
まぁ、自然交雑種は探しに行くというより、「あれっ、もしかすると!」と見つかるものなのかも知れません。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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フモトシハイスミレ(静岡)と表示されていました。独特な魅力を持つハイブリッドですね。でも、広範な個体差がある自然交雑種だと感じています。個人的に、大分で見つけた大きな葉を持つフモトシハイスミレたちが、印象的な記憶となって刷り込まれているのですが、展示品とはかなり異なる様子でした。特に、花弁が薄紅色だった印象が残っています。

フイリフモトスミレとシハイスミレは近縁種なのか、時折、自然交雑種が見られるようです。ところが、フイリフモトスミレとマキノスミレの方との組み合わせであるミツモリスミレとは、どうした訳か、ご縁がありません。首都圏でも見つかっている情報があったので、友人と探しに出かけたこともありましたが、やはり、ご縁がありませんでした。
まぁ、自然交雑種は探しに行くというより、「あれっ、もしかすると!」と見つかるものなのかも知れません。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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〔徒然草〕展示品を拝見 (6)
2023-07-06
油断をして、札の文字を写し漏れたのですが、「紅鶴」という文字が記されていたと記憶しています。すると、「エイザンスミレxベニバナナンザンスミレ・紅鶴」でしょう。ただ、残念なことに、この長めの名前は使われないこともあります。1979年の交配で、その後、同系統の組み合わせによる交配は多く存在したでしょうが、それを「紅鶴」風な名称で流通させはしないだろうと、性善説的に期待しています。

一方、ヒラツカスミレの交配親を広義に理解することがあるようです。つまり、エイザンスミレ、ヒゴスミレ、ナンザンスミレ、ベニバナナンザンスミレ、大陸系の近縁種など、どれを親としてもヒラツカスミレと説明するグループ名的な発想で、それも考え方ですね。ただ、命名に関する国際規約も踏まえて、やはり、命名者の意向は、ある程度尊重された方が気持ち良いと思っています。
この季節は、すみれの展示会などで観察させていただいた展示品や、栽培棚の栽培品などの情報整理をしています。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
© 2023 Green Moonlight by NYAN All rights Reserved

一方、ヒラツカスミレの交配親を広義に理解することがあるようです。つまり、エイザンスミレ、ヒゴスミレ、ナンザンスミレ、ベニバナナンザンスミレ、大陸系の近縁種など、どれを親としてもヒラツカスミレと説明するグループ名的な発想で、それも考え方ですね。ただ、命名に関する国際規約も踏まえて、やはり、命名者の意向は、ある程度尊重された方が気持ち良いと思っています。
この季節は、すみれの展示会などで観察させていただいた展示品や、栽培棚の栽培品などの情報整理をしています。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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〔徒然草〕展示品を拝見 (5)
2023-07-04
この季節は、すみれの展示会などで観察させていただいた展示品や、栽培棚の栽培品などの情報整理をしています。
ヤエヤマスミレ(白花変種)のようです。単に「白花」と記載されていました。「純白品」との記載なら判断しやすかったのですが、多くの植物で、「白花」の範疇には白っぽい花を含むことがあり、実際に目で見て、確認する必要がありますね。

植物分類学用語では「白花変種」と表現しますが、実際には「品種」ですから、使い方には気をつけています。ヤエヤマスミレの白花変種を初めて拝見したかも知れません。元々、この種は紫条が細めなので、遠目には、白い花に見える可能性があるのです。
植物で「アルビノ」という専門用語は、特殊なケース以外には使いません。教える立場になったら、気をつけましょうね。
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
© 2023 Green Moonlight by NYAN All rights Reserved
ヤエヤマスミレ(白花変種)のようです。単に「白花」と記載されていました。「純白品」との記載なら判断しやすかったのですが、多くの植物で、「白花」の範疇には白っぽい花を含むことがあり、実際に目で見て、確認する必要がありますね。

植物分類学用語では「白花変種」と表現しますが、実際には「品種」ですから、使い方には気をつけています。ヤエヤマスミレの白花変種を初めて拝見したかも知れません。元々、この種は紫条が細めなので、遠目には、白い花に見える可能性があるのです。
植物で「アルビノ」という専門用語は、特殊なケース以外には使いません。教える立場になったら、気をつけましょうね。
すみれの部屋@(花の写真館)
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〔徒然草〕展示品を拝見 (4)
2023-07-02
一般のすみれについて、関東では、もうオフですので、今後しばらく、栽培品や展示会の記録を再確認する期間に当てています。
今回のスズキスミレは、前回のフイリキソスミレと少し関連があります。「スミレ x ヒゴスミレ」を両親とする自然交雑種という側面もありますが、フイリキソスミレを作出した鈴木吉五郎氏によって、園芸目的で交配された「人工交配種の草分け的存在」という側面もあるのです。

スミレには多くの型がありますから、組み合わせが同じでも、多彩な表現型が生じます。写真の個体は花弁が濃い紫色で、花も葉もとても大きい独特の姿でした。詳しい解説はありませんでしたが、染色体数が多い倍数体由来かも知れません。
ハイブリッドは「どんな親かなぁ」と思い巡らす楽しみもあります。ナンザンスミレや大陸系の近縁種を使う手もありますね。
すみれの部屋@(花の写真館)
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今回のスズキスミレは、前回のフイリキソスミレと少し関連があります。「スミレ x ヒゴスミレ」を両親とする自然交雑種という側面もありますが、フイリキソスミレを作出した鈴木吉五郎氏によって、園芸目的で交配された「人工交配種の草分け的存在」という側面もあるのです。

スミレには多くの型がありますから、組み合わせが同じでも、多彩な表現型が生じます。写真の個体は花弁が濃い紫色で、花も葉もとても大きい独特の姿でした。詳しい解説はありませんでしたが、染色体数が多い倍数体由来かも知れません。
ハイブリッドは「どんな親かなぁ」と思い巡らす楽しみもあります。ナンザンスミレや大陸系の近縁種を使う手もありますね。
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