〔徒然草〕奥羽の山々を縦走 (5)
2023-05-20

東北や日本海側には、複数のタチツボスミレ類に属する近縁種たちが自生します。今回、撮影していた山道で最も多い種がナガハシスミレ、次はタチツボスミレ、少し離れた場所にオオタチツボスミレが花を咲かせていました。

狭い山道で少し余裕がある曲がり角に車を駐めて、ナガハシスミレを撮影していました。少し進行方向に移動するとタチツボスミレが現れたのですが、更に移動すると、花や葉の様子がちょっとずつ違うような気がしてきたのです。距が白く長めの個体群が出てきた横に、距が紫色、葉が丸め、葉が横に張り出した三角、鋸歯が粗め、葉脈が目立たない個体群と多彩に登場します。これは困った山道ですね。

あの距離感、交雑せずには済みませんね。葉はタチツボスミレ、花はナガハシスミレとの中間。これって和名がありますか?!
すみれの部屋@(花の写真館)
*コンテンツの一部(徒然草)をブログで再現したものです
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〔徒然草〕奥羽の山々を縦走 (4)
2023-05-19

すみれたちの登場は順不同です。このナガハシスミレに出逢ったのは、最終日、つまり、予備日に向かった岩手南西部の山です。標高700mぐらいの位置ですね。探すと出て来ないのに、あるところにはたくさんある普通種です。

距も特徴的ですが、葉がポイントです。葉質は柔らかく、全体の形は丸め、先端部が軽く尖っています。しっかり展開すると、凸凹が少ない扁平な印象が強めに出てきます。長い間、母種が北米に分布する隔離分布型の典型と例示されてきましたが、実は「他人のそら似」、つまり、別種だったと判明しています。すると、同じ学名を用いていることは間違いということになりますね。

この春の出逢いを各地2種ずつ編集していますが、どこの話も終わっていません。都合で東北編を続けることにします。
すみれの部屋@(花の写真館)
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